実力があったのにどうして!? 活動休止、解散してしまった音楽グループ特集

実力あっても消えてしまう音楽グループ

男性三人組グループ ESCOLTA

音楽ブーム、なんて言葉を使用する日は今となっては古い。現代ともなれば音楽が身近にあるのが当たり前で、知らないほうがおかしいんだと言われてしまうような時代です。筆者も学生時代は熱心に聞いたり、あるいは調べたりに余念がなかった。それだけハマっていた証拠なのでしょうが、それと同時に聞いていて凄いと思えるものがそこにあったのが確かかもしれません。歌詞に共感したり、曲の凄さに圧倒されたり、楽曲1つで人をここまで戦慄させる音楽という文化が人間に与える影響力は今も計り知れない。

では今はどうかといえば、正直なところピンとくるものは殆ど無い。そのせいか、自分が好きな音楽しか聞かなくなっていく上にとてもマイナーな方向へと開拓している。個人的に言うとA○B関連の楽曲がある、全くといっていいほどわからないので楽曲名を言われても、聴かされてわからないくらいだ。Youtubeなどでミュージックビデオが挙げられているので見ようと思えば見られますが、ボタンを押す気にもなれない。ぶっちゃけた話好きではない、というのが本音なんですが名前だけ知っているだけでも大したものでしょう。それだけ入念に話題を振りまいている証ですが、それもこれもプロデューサーを始めとした周囲の人々の尽力によるものだ。

歌手と言っても色々種類がある、シンガーソングライターのように自らの楽曲を自分で用意している人もいれば、アイドルとして華やかな面白さを演出するのに枚挙する人と、やり方はそれぞれ。キャラクターとしての個性を活かした楽曲作りが主となってはいるので、似たような物を聞くことがほとんどだと思います。ですがどれだけ努力をしても、頑張って楽曲作りを成し遂げても、そしてどんなにヴォーカル技術を鍛えても、売れるという保障はない。それがまた音楽業界の難しさ、あるいは複雑に絡みあう利権などにも影響しているのかもしれません。

そんな中で1つ注目してみたい音楽グループがいます。男性3人組のユニットで、3人それぞれが軒並み外れた実力を持っていながら活動休止という決断を下す事になってしまった『ESCOLTA』という音楽グループについてです。聞いたことがない、という人にも分かるようにその点を見てみよう。

ESCOLTAとは何か

ESCOLTA、というグループについては筆者もこの記事を執筆するまでその耳に入ったことはなかったのだが、今回調べて見て思ったのはこうだ。『ヤバイ、これはガチの音楽グループだ』という点だ。音楽グループにガチも嘘もあるのかと思うでしょうが、ここで言うガチとは『サブカルチャーとしての音楽ではなく、芸術としての音楽』を追求したという意味です。これが何を意味するかはまた書くとして、まずユニット名からその意味を紐解いてみようと思います。

聞き慣れない言葉なので英語ではないと思うでしょう、このESCOLTAとはフランス語で英語で言うところの『エスコート(ESCORT)』と同一の意味に当たる。ユニット名としてこの言葉を選んだのは理由として、

女性を優しくエスコートできる男性たちとして、その類まれなヴォーカルで聴く人全てを自分たちの世界へと誘えるようなグループ

という意味が込められているという。

もうこの時点でさっきA○Bとか言っていた自分が恥ずかしくなります。他にもこのユニットには日本のオペラ界でも重鎮として崇められている『池田直樹』さんを監修として迎えいれてとの事なので、もう何もかもが普通の、そこら辺で活動しているアイドルとは比較にならない、ガチの音楽グループなんです。取り入れている音楽の質もJ-POPみたいなものではなく、クラシック系だとみなして良い。

そんなユニットに参加していた3名の男性ヴォーカル、全員物凄い経歴です。

本気で凄いユニット参加者

結城安浩

まず1人目、メンバーの中でも最年長だった『結城安浩』さんについてだ。音楽家としての経歴は18歳、高校卒業と同時にプロの音楽活動を開始していきます。ただ最初から大ブレークといえるようなものではなく、スタジオワークやセッションといったものを経験しつつ、バックコーラスなどのサポートミュージシャンとして多くの歌手たちの全国ツアーなどに参加していたという方だ。地味ということなかれ、こういう人たちの方が下積みはもちろん、実力も言ってしまえば舞台の中心で歌っている方々よりも上手いというケースは多く存在している。

そんな活動をしていた結城さんがヴォーカルグループの一メンバーとしてESCOLTAに加入、その後活動休止になる2014年まで精力的な活動を続けていった。その後も音楽活動を休止すること無く、現在も大勢の歌手たちからしたら縁の下の力持ちとして活動している。

吉武大地

次に『吉武大地』さんについてだが、この方の経歴を見て目がキョトンとした。言ってしまえば本物のオペラ歌手になれるような経歴の持ち主で、しかもイタリアはミラノ音楽院という、同国内で最も音楽に卓越した学校と言われるような場所を卒業した方だ。二束三文で活動している地下アイドルとこの方を比較する、なんてレベルが違い過ぎます。また家庭も芸術一家だったこともあり、音楽は3歳の頃からピアノを弾いている。

実際、ESCOLTAを結成・活動休止後も『声楽家』として活動を続けており、言ってしまえばオペラの世界でこそ彼の真価が聞けるのだ。グループとしての活動はなくなりましたが、興味がある人は彼が出演するオペラを見て、その凄さを体感してみるといいでしょう。

田代万里生

そして3人目は『田代万里生』さんだ。名前を見たとき、『あれっひょっとしてDQNかな?』とか思った自分、この人の経歴を見て土下座したくなった。吉武さんと同じくこの方もガチの音楽家で、しかも同様に『声楽家』として活動している。音域についてもそうだが、彼は絶対音感という音楽家ならば持っていれば将来を有望視される才能を持っていた。事実、声楽家として活動をする以前からピアノを始めとした楽器も嗜んでいましたが、幼少期は左足切断すらありえたかもしれない病気を抱えていたため、楽器やスポーツなどを諦めてしまったという過去を持っている。

その後声楽家としての道を志すようになったというから、この人にしても音楽家という色合いがとても強い。

売れなかった方がおかしい

メンバー3人の内2人はオペラを初めとした芸術の世界で活動し、もう1人はサブカルチャーの音楽で活動していたという異色の経歴が揃った事になる。これで売れないはずがない、おまけに彼らのデビューアルバムには作詞家としてその名を馳せた『阿久悠』さんが作詞した楽曲があるなど、バックとしてもこれ以上ないほど完璧な布陣でした。ですがその後の進退としては表舞台に出てくることはなく、細々としながらの活動に留まります。

ですが当時から3人にはそれぞれの方向でソロ活動をしていたこともあり、仕事がESCOLTA一筋だったというわけではなかった。それはそれで仕事が無いよりかは良い状況なので問題ない。しかし活動開始してから8年後の2015年2月に活動を一時的に休止する発表がされた。グループそのものは解散していないというが、復活する可能性が必ずしもあるという訳でもない。

曖昧な感じですが、将来を嘱望しされている人がいざ音楽活動を行っても、必ず売れるとは限らない。そういったデビュー当時こそ期待されながらも、気付けば消えていたという音楽ユニットの数は山程あります。